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私はそのまま、目を閉じた。
彼の手の動きが心地よい。頭を撫でられたのなんて、何時ぶりだろう。
とりあえず、冷静にならなければ。
彼の出方を待ちたい。待ちたいが、これ以上予想外の動きをされると、私の心臓がもたない。
目を閉じて、冷静になり、考えようとしたが、彼の私より高い体温が、洗濯物の太陽の様な匂いが、私の頭を包み込む大きな手が、思考を止めてしまう。
ある程度の年齢になると、こんな風に始まるともなく関係が始まるのだろうか。
それとも、この程度では、始まってさえ居ないのだろうか。
変に期待をして、傷つくのも嫌だ。
ここで、結論を聞いたら、答えてくれるんだろうか。でも、答えによっては、2度と会えなくなる、そんな危うい関係にいる。
いや、私は観戦にいけば、一方的になるが、良くんを見ることはできるのだ。
ただ、どんなにベクトルが大きくなっても、彼には届かなくなるだけで。
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