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暫く頭を撫でられていたが、良くんの「そろそろ帰る」の一言で、終わりを告げた。 男の人は身軽だ。 ソファーから立ち上がっただけで、帰り支度が済んでしまった。 「また、来る。いつならいい?」 ドアノブに手を置いて、振り返るとそう言った。 「別に予定が無ければいつでもいいんだけど、来るときは事前に連絡して」 「…分かった。おやすみ」 良くんは、目尻を下げ、少し自嘲気味に笑った。 閉まったドアの前で、ため息をつく。 「お風呂入ろ」 今日1日でかいた、純粋な労働の汗と、キャパオーバーのための変な汗を洗い流そう。 良くんの行動を考えてみても、都合よく行く訳がない。それに、天邪鬼な私は、過去の経験からも、拗らせてしまうのは分かっている。 湯船にしっかり浸かる。余計なことは考えずに、眠るために。
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