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咲は明日も仕事の為、夕ご飯までご馳走になって、早めの解散になった。
良くんと、私の部屋にタクシーで帰る。昨日の夜から2日まで、一緒に過ごす予定だ。
家の前のコンビニの前でタクシーを降りた。
「あー、楽しかった。お腹いっぱい。良くんは?」
「ちょっとデザート食べたくない?コンビニ行こ」
スッと手を繋がれ、店内へ引っ張られる。
やっぱり、よく食べるなぁ。
デザートと、飲み物数本が袋に入っている。お酒がないのが、私達らしい。あまり宅飲みはしない。
コンビニから出ると、再び繋がれる手。
一見ドライな感じがするけれど、良くんは2人でいる時のスキンシップは多いと思う。
メールとは全然違う人みたいだ。
「明日の朝、食べるもんある?」
「食パンならあるよ。買い物はしてるし」
「じゃ、あのオムレツ作って」
「トルティージャね。了解」
多分起きるのは昼前だから、ブランチになるんだろうけど。
隣にいる彼に分からない程度に微笑む。
いつもの道。
何気ないやりとり。
あの日、彼から流れてきた気持ちを受け止めたから、今がある。
2人で寛ぐ部屋。
新しい朝。
何気ないやり取りも、彼がいるからこそ、大切な日々だ。
終わり
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