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「ははっ。どうやら百萌さんの方が度胸があるようですな。どうですか?ここは若い後継者をちゃんとお育てなさい。きっと、ずっとご心配だったのですよ。だからお二人が取り返せるはずの損失のために大事な香炉を売ってしまったことに怒ったんです。まさに大威徳明王ではありませんか」
大声で笑ってそう言う恭敬のおかげで奇妙な沈黙が訪れることは免れた。そして百萌も、心の中でずっと考えたことを吐き出せてすっきりしたのだろう。
「そういうことですから、お父さん、お祖父ちゃん、どうぞよろしくお願いします」
姿勢を正すと美しいお辞儀を披露した。その姿はまさに若女将の姿で、千鶴も思わず見惚れてしまったのだった。
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