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「ケシを使って眠っていたようですし
後宮の女かもしれません」
「身分がある者だろうか」
「身分は明かしません、が
玉の首飾り、金の腰帯…
身につけているものを見ても
ただの腰元ではありますまい」
女は途切れ途切れ、沙羅の問いに答えていたが
だんだんと声が掠れたようになり
喉のあたりを手で押さえて
話そうとするが声にならない。
終に、目を見開いたままポロポロ涙を流し始めた。
「ポンタルラ?」
沙羅が問うと、女はうっと、泣き伏してしまった。
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