3、ウズミネの屋敷

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「ケシを使って眠っていたようですし  後宮の女かもしれません」 「身分がある者だろうか」 「身分は明かしません、が  玉の首飾り、金の腰帯… 身につけているものを見ても  ただの腰元ではありますまい」 女は途切れ途切れ、沙羅の問いに答えていたが だんだんと声が掠れたようになり 喉のあたりを手で押さえて 話そうとするが声にならない。 終に、目を見開いたままポロポロ涙を流し始めた。 「ポンタルラ?」 沙羅が問うと、女はうっと、泣き伏してしまった。
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