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「ポンタルラ、とは何のことだ?」
「ウズミネ様は、ホトケ、をご存知でしょうか」
「ああ、シルラで祀る神だな
像を見たことが有る」
以前、シルラ人に見せてもらった
掌にのるほどの小さなホトケの像を思い出した。
丸い皿のような花の上に、片膝を立てて座り
片手を頬にあてて小首をかしげた
愛らしい少女のような金の像だった。
(これが?シルラ人の神なのか?)
ムナカタの祀る神は「龍」である。
それは、ムナカタの男たちが操る船を
守って運ぶ、玄海の海流のことに他ならない。
ムナカタの神は人の命を奪う、恐ろしい神だった。
ウズミネは「ホトケ」を初めて見たとき
シルラの人々は、いったい
少女のように可憐なこの像に手を合わせ
一体何を祈り、頼るのであろうかと
可笑しく思ったものだった。
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