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女は死んではおらず眠っているようだった。
強い芳香は、
女の体の下に、びっしり敷かれた木の葉のためらしい。
目を凝らすと、女の胸は呼吸のために微かに上下している。
のびやかな肢体に
白い薄絹の裾の長い衣が濡れてまとわりついていた。
首や手首に紅玉や碧玉を連ねた豪華な装飾品を巻き付け
黒髪を見たこともない形に結っている。
明らかに異国の風俗の女。
腰に巻いた平帯は黄金に違いなく
朝日が当ってゆらゆらと鈍く光っていた。
声をかけたが反応はない。
ウズミネは何の考えも及ばず、
しばらく放心して女を見降ろしていた。
女は、非常に美しかった。
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