1、漂着

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女は死んではおらず眠っているようだった。 強い芳香は、 女の体の下に、びっしり敷かれた木の葉のためらしい。 目を凝らすと、女の胸は呼吸のために微かに上下している。 のびやかな肢体に 白い薄絹の裾の長い衣が濡れてまとわりついていた。 首や手首に紅玉や碧玉を連ねた豪華な装飾品を巻き付け 黒髪を見たこともない形に結っている。 明らかに異国の風俗の女。 腰に巻いた平帯は黄金に違いなく 朝日が当ってゆらゆらと鈍く光っていた。 声をかけたが反応はない。 ウズミネは何の考えも及ばず、 しばらく放心して女を見降ろしていた。 女は、非常に美しかった。
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