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上半身を横向きに捻り
膝を緩く立てて顔とは反対に倒していたので、
かたく盛り上がった胸と腰の細さが強調されていた。
横向きの白い顔が、暗い船の中で輝くようである。
際立った鼻梁と長い首が、高貴な生まれの証に思えた。
腰から太ももにかけては若さがみなぎっている。
軽く握って頬の横に投げ出された手が細くしなやかで、
女が明らかに労働しない階級であることを示している。
見下ろしていたウズミネは急に悪寒に震えた。
指先が僅かにしびれ、視界もかすむ。
(これは…瘴気!)
この、強い芳香が原因だろう。
慌てて後ずさり、鼻と口を覆ったが手遅れであった。
気が遠のき、視界がゆらりとしたが最後
ウズミネは濡れた砂の上に崩れて、
後は混濁の淵に沈んでしまった。
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