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あとがき
遅れていた梅雨明け前に始まった今作の連載開始から、一か月半あまり。
ようやく北からゆっくりと猛暑が陰りを見せ始め、ほんの少し秋の足音を
感じられるようになった本日まで、長きに渡りお付き合い頂きまして、
ありがとうございました。
実は、今作が生まれたきっかけは、「同じ名前の二人」という思い付きから
でした。
だから当初は、宅見も角野も「タクミ」という名前にしようと考えてたんです。
ところが、ちょうど宅見との再会ランチのシーンを書いていた時に、
ふと「タクミ」違いというエピソードが浮かんできました。
お陰で、角野の存在がグッと謎めかせることが出来たという訳です(笑)。
その反面で、メインキャラであるはずの角野が宅見や増田の背後からウロチョロ
する形での登場となってしまい、それが大きな仇に……。
何しろ、メインキャラの角野が表立てないから、いつもなら話も中盤になると
私の中で勝手に動き始めるはずのメインキャラが、まぁ動かない、動かない。
その上、玲子のキャラまで派手さとは真逆に設定したために、牽引力となって
くれるキャラが皆無になってしまいました。
という訳で、実は今作において私の一番の力になってくれたのが宅見と増田。
彼らには、本当に助けてもらいました。
実は、彼らの落としどころは書き始めから決まっておりました。
そんな彼らが、頑張って投げかけてくれるエピソードを元に、私が角野の登場
シーンを考える。
まぁ、偶然ながらも、今作でもまた新しい試みを経験できたと思っています。
それでも、やっぱりメインキャラは、お話の主ですよね。
宅見が玲子の前から消えた後は、ちゃんと私の中で角野が動いてくれ、
ラストになって、やっと作者を楽にしてくれました(笑)。
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