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俺が改名をしたいと思ったのはちょうど1年前、高校2年生の春だった。クラス替えでの苦痛の自己紹介を終えてふと気が付いたのだ。大学に行くつもりだったからまたそこでの自己紹介とかで名前でクスクスされるんだろうな。そしてまた名前の読み仮名聞かれるんだおうな。もうそろそろ限界だ。
日本では「改名届け出」という書類1枚だけで簡単に改名できるようになってから多くの人が改名をしてきた。制度ができたばかりのころは「親が一生懸命考えた名前なのに」「改名を利用して犯罪する人が増えてしまう」などざまざまな論議があった。ワイドショーではひっきりなしに話題に上りあがり、災害などの次の話題が出るまではマスコミの餌だったに間違いない。俺はその現場を見ていないが何となく予想はできる。そこから十年以上が経ってようやくその制度は若者には馴染んできた。ファッションとして捉える者もいるし、存在を改めて確認する人、人生の転換期として改名する者など理由は千差万別。俺は俺が憧れる人でありたいし、やりたいように突っ走りたい。名前でなんとなく自分で勝手にさわやかでいなければならないみたいな思考に時間をとられたくないし悩みたくない。
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