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ヤクワは2人の会話を尻目にひたすらリンゴをしゃぶった。
「話を……」
「流してますね……」
2人はため息をつき、 フリーネに向き直った。
「僕たちが旅してる理由は、 あまり、 深くなくて……」
ヨタンは申し訳なさげに言う。
「別に良いから、教えなよ。」
「……ただの日常に、飽きました。」
朝起きて、ニュース見ながら家出て学校行って、授業受けて帰って来る。 これがずっと繰り返されてきました。さほど変わりない、ほぼ内容は同じです。 つまらなかったです。 本当に飽きてきました。クラスで、そう思ってる人が、 私の他にもいたのです。 なので、 親に内緒で家出しました。「散歩」と誤魔化して、数々の冒険に巡り会いました。 とても楽しかったです。
ユモヲが一通り話し終え、フリーネは固まっていた。
「あ、ちなみに、僕たちのこの名前は、偽名です。本名言うとまずいかなって」
「……お前ら、帰った方が良いぞ。
「はあ!? 今帰るっつった!?」
ヤクワが顔を突っ込んできた。
「ああ、言ったよ。 親に内緒とかそれこそまずいだろ、 帰れよ」
「嫌だ!!!」
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