星降る丘

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星降る丘

恋をした。 星が綺麗な夜だった気がする。 確かには覚えていないが、多分そうだった。 それくらい僕の内側に走った衝撃は、ディープインパクトのように大きく強く、同時に恐ろしいものだった。 お母さんと喧嘩するとよく行く、星が見える丘に走る。 喧嘩の理由は特にない。 ただ酒癖の悪いお母さんがまた酒に飲まれて僕に逆ギレしてくる。 いつものことだ。 何ら特別でもない、ただの日常。 ただしその日常は白と黒と少しの青でできている。 丘の頂上に着くとその日常に色が着いた。 見知らぬ女の子が立っていた。 僕に気づいたその子の顔を見た時、体の中を彗星が走った。 稲妻じゃない。彗星だ。ディープインパクトだ。 「星は、お好きですか?」 女の子の第一声を聞いてさらに彗星が走る。 いつもより星が綺麗だ。 「はい。大好きです。」 ようやく絞り出した声は、自分が思った以上に情けない声だった。
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