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会長(東雲龍弥)side
副会長の帝が好きになったらしい愛歌という生徒に会った。
毬藻の様な髪に厚い便底眼鏡。全くもって何がいいのかわからない。
どうせどうせこいつもちょっと近づいてキスでもすればコロッと俺に堕ちるのだろうと思ったが、キスをした瞬間鳩尾を一発やられた。
余りにも速い動きで少し反応が遅れたが、無駄のない綺麗な動きだった。
どこか見覚えのあるような、そんな動きだった。
(面白そうだ。)そう思いながら顎に指をかけて、、、所謂『顎クイ』を
しようとしたら、愛歌が空のガラスのコップに手をかけた。(まずい。)
と思ったがもう遅く、それは宙を舞って、、、
隣の席の生徒の頭に直撃した。
そこらのチワワよりずっと可愛らしい見た目。どっちかというとポメラニアンみたいな。
ふんわりとして青みがかった黒髪に薄いグリーンとグレーの大きな瞳。
だが特に変わった見た目でもない一般生徒。
血に濡れた患部を触りべっとりとついた血を眺めていた。
まぁ俺の知ったことじゃないが。
と思っていた。
「オイ。てめぇら。」
血に濡れた一般性とが以外にもドスのきいた声で俺たちに話しかけてきた。というか喧嘩を売ってきた。
どんなにドスがきいていてこちらをにらみつけてきても所詮は一般生徒と
生徒会。そもそも権力の差がある。向こうに何かできるわけ無い。
そう高を括っていた。
『あ?なんだ。貴様。俺様は今、愛歌と話してんだよ。邪魔すんなっっ!?』
鳩尾にきた鈍い痛みとともに俺の身体は宙を舞った。
あ?なんだこれ。なんで一般生徒どもは俺を見下ろしている?
なぜ逆さを向いている?
殴られたからだ。
なぜこんなに痛い?
殴られたからだ。
誰に?・・・
あの一般生徒にだ
あのポメラニアンみたいな生徒だ
「俺が言ってんのは、この食堂がクソ忙しい時間帯に騒ぎまくってものを壊した挙句食べ物も粗末にし、今食事をとっている生徒の食事中に耳が痛くなるような大声で話し、この学園での変な常識をぶち壊した挙句他人の人体に危害を及ぼした。親衛隊の奴等が発狂するのもよくわかるよ。意味は違うがな。まず一般的な常識を身に着けてから身だしなみでも整えろ。そして俺の視界に二度と入るな。」
あいつが愛歌を叱っている。
公衆の面前で、生徒会全員でもてはやした愛歌を。
この先、生徒会に目を付けられるのに。
『・・・面白い男だ。弓瀬透。覚えたぞ。』
そうして俺は意識を手放した。
会長(龍弥)side ENⅮ
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