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.........タンッ...タンッ...トタンッ 私はベランダの窓ガラスを叩く雨音で目を覚ます。昨夜オフタイマーをセットしていたエアコンは既に切れている。小さな安物の扇風機は首を振るたび一定のリズムで異音を立てる。買い替え時だろうか。 背中にじわりとかいた汗と、全身を覆う梅雨の時期特有の湿気を鬱陶しく感じながら目覚まし時計を確認する。 ーー6月24日 5時47分 二度寝するには少し遅いなと、苛立ちにも似た不快さを顔に浮かべつつ、強張った関節と腱をゆっくりと伸ばしながら体を起こす。而立を迎えてからというもの、どうも体の動きが悪い。 シーリングライトを点け、汗を流すためベッドから降りようとし私はふと、体を止める。 「そういえば、今日は6月24日か。誰だったかな、この日がUFOの日だなんて言っていたのは。」 私は、起き抜けの嗄れた老人のような声で誰に聞かせるでもなく呟くと、目覚まし時計に刻まれた日付を眺めながら遠い日の記憶に思いを馳せた。十年をひと昔とするなら、ふた昔以上遠いあの初夏の日の記憶に。
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