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おとうさん
ぼくのおとうさん。
ぼくのおとうさんはずーっとそらをとんでいる。
いつかえってくるのかなあ。
お仕事が忙しいみたいだけど、ぼくはどのくらいおとうさんに会えてないのかなあ。
おそらの仕事はねんじゅうむきゅう?
うちゅうひこうし、パイロット、鳥さん?
って、おかあさんに聞いたら
おかあさんは悲しいかおで、首をよこにふるだけ。
そうして、頭をやさしくなでてくれる。
ぼくはそれが好きだよ。
ぼくもさみしいけど、おかあさんはもっとさびしいみたいだ。
ぼくがまもらなきゃ、ぼくがつよくならなきゃ。
おとうさんはかえってこないけど、いつもいつも、おそらのずーっとうえのほうからぼくらをみまもっているんだって。
すごくほこれるしごとなんだって、おかあさんは教えてくれたよ。
でも、なんだかこころがいたくて。
目からしょっぱい水がながれだしてくるんだ。
とめようとしてもとまらないの。
おとうさんのおおきな手であたまをなでてほしいなあ。
ぼくのよこで、おかあさんがないている。
ぼくの手をにぎって。
あたたかいなあ。
おとうさん、ぼくもすぐにそっちへいくみたいだよ。
会えたら、かぞくみんなで楽しくおでかけできるといいね。
さようならとありがとう。
なんていえばいいのかな。
【完】
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