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でも、一度放ってしまった言葉は取り消せない。
沈黙を恐れて、唇が勝手に言葉を紡ぎ出す。
「わたしは、結城くんと星野さんはお似合いだと思いますよ」
「っ。それ、本気で言ってんの?」
「はい」
「……本気で好きにならないっていうのは、やっぱりそーいうこと」
「へ?」
「なんでもない。これは重たいから、オレが持っていく」
冷たい無表情になって縄を手に背中を向けた結城くんに対して、わたしには胸を痛める資格もない。
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