十章 決意

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 でも、一度放ってしまった言葉は取り消せない。  沈黙を恐れて、唇が勝手に言葉を紡ぎ出す。 「わたしは、結城くんと星野さんはお似合いだと思いますよ」 「っ。それ、本気で言ってんの?」 「はい」 「……本気で好きにならないっていうのは、やっぱりそーいうこと」 「へ?」 「なんでもない。これは重たいから、オレが持っていく」  冷たい無表情になって縄を手に背中を向けた結城くんに対して、わたしには胸を痛める資格もない。
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