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勇者様ご一行の死は残酷だ
「勇者様ご一行だ!」
「キャー勇者様ー!」
まるでアイドルだな。ん?まてよ、勇者の筋肉と少なめな脂身の絶妙なマッチ、最高!それにそばにいる戦士。ガッチガチに鍛えられた体!噛み応えがあってうまそう!後の僧侶と魔法使い、プリプリな太ももと大臀筋と胸!とても美味しそうだ!なんだこのグループ、A5ランク肉かよ!
「じゅるり」
「なによだれ垂らしてんだ、でも無理はねえな。あの僧侶ちゃん、すっげーかわいいよな」
「ああ、旨そうだ」
「へ?そういう言い方もあるな。でもきっと勇者とカレカノだろーな。あの勇者イケメンだし」
あまりの美味しそうさにしばし見とれてしまった。これはなんとしてでも食いたい!
「俺たちは今日、ここで休むことにします。宿の手配をよろしくお願いします」
なんと!この上ない光栄!あんな肉が自ら捌かれに来るなんて。
-その夜-
「ここが宿屋か」
木で出来た素朴な宿屋だ。ここにあのお肉がいると思うともうよだれが垂れてしまう。
「こんな時間に起きてる変わり者はいないし、食べ放題かな!」
俺は宿屋と言う名のレストランに入っていった。
「ここが勇者達の部屋」
中からもういい匂いがする。嗅覚が敏感になっていやがる。俺の体が肉を求めているのが分かる。朝からなにも食べていないからな。食事用のナイフを持っていざ出陣。
「しつれーしまーす」
小声でいう。ギイッというドアの音で掻き消されてしまったが。まずは起きたらめんどくさい戦士からだ。首もとにナイフを当て、思い切り突き刺す。即死。そして旨そうな部位をブロックにして持っていく。次に勇者、同じく即死。魔法使いも即死。後は僧侶だけだ。ん?まて、僧侶がいない!ここを見られたらものすごくまずい!そんな俺の予感は的中する。入っていたときと同じようにギイッというドアの音が後ろから聞こえる。振り向くとそこには、パジャマのような服を着た僧侶がたっていた。
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