エピローグ

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 ここを出たら私がするべきことは決まっている。  あのベンチに腰掛けて、また私は待つつもりだ。  でも今度待つのは怒りや悲しみからじゃない。  彼がもしそこに来たなら、もういちど巡り会えたら。 「ありがとう」じゃない。それはもう言った。 「こんにちは」なんてのでもない。  私は彼に「はじめまして」と挨拶をするのだ。  生きた身体で、血の通う身体で、彼に向かって、感謝を忘れず、友情を抱いて、  ついでに、  ――もしかするとちょっぴりの『愛』を、この胸の奥に隠して。 <完>
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