第弐章 屋敷

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「ボクは物書きもしているんですよ」  と、自慢げに言えば相手は益々驚いた顔をした。 「なんともまぁ、やはりそうだと思いましたよ。だって顔つきが違います」  それは単なる世辞かもしれなかったが、普段褒められていない小鳥遊にとってはとても気分の良いものだった。 「良いものができたならば、その時は見せてあげましょう」  などと確証もないことを言えば、インカイはどこか恥ずかしそうに、しかしどこか自信あるような笑みを見せた。 「それならばひとつ面白い話をしましょう。きっと、もしかしたらですが、先生のネタになるかもしれません」 「ほう、どんなネタかね」  いつも先生にやられる行為をするとなんと清々しいことか、小鳥遊は髭一つも生えない顎をさすりながら言う。
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