空が笑うのは

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“アハハハッ!ヒャッハッハッハ!” この日の午後、世界は突如として笑い声に包まれた。その笑い声は歓喜や祝杯などのそれとは違い人をさげすみ、まるであざ笑っているかのように聞こえた。 そして、しばらくするとその笑い声は空から聞こえて来ているとゆう事が判明して科学者や研究所がその日の内から気球を飛ばしたりヘリコプターに乗って空を調査したが、一週間が経った今も何故空から笑い声がするのかは一切分からないままなのだ。 その二十四時間四六時中響きわたるまるで人を小馬鹿にするかのような笑い声は世界中の人々を不快にさせ、イライラさせた。イライラを発散する為に空に向かって怒りをぶち撒けたり、銃を乱射する人が大勢いた。それがまた周りの人をイライラさせてケンカや事件が頻発し、世界は空が笑い始めてから急激に不安定になった。数日で経済にも影響が出始めて世界各国の政府機関が躍起になって対策や空からの笑い声をどうにかしようとしたが、人は“力”で押さえつける事が出来たが、空はどうする事も出来ないのだった。人々の不満は溜まる一方で、このままではより大きな世界規模の混乱が起こる事は目に見えていた。そして空からの笑い声は当初よりも少し大きくなっていた。 この日の午後とある小さな島国に住む三歳の少年が何気無しに空に向かって話しかけた。 「お空さん、お空さんは何で笑っているの?」すると空は応えた。 「もう、可笑しくて可笑しくて耐え切れなくなったからだよ。アハハハッ…!」 「何がそんなにおかしいの?」 「それはキミたち人間だよ。いや、正確にはキミたち子供ではなく、大人たちだ。私はずっと見て来た。人類を。誕生してから数百万年が経つが、それはそれは驚きの連続だった。世界中に広がり、独自の進化を遂げていった人類のその進化は今までの生物とは違い、凄まじい速度と他に類を見ない進化の種類だった。 特にここ数百年の人類ときたら、戦争を繰り返し、資源をむさぼりながらどんどん星を壊している。私はずっと堪えながら見ていたが、先日ついに耐え切れなくなって笑ってしまってね。そうしたら笑いが止まらなくなってしまったんだよ。アハハハハッ…!」
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