また来年も…

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俺は母さんに 「ありがとう!」 そう言って、兄さんの部屋をノックした。 いつもなら直ぐに開く扉が開かない。 心配になってドアノブを回しても、鍵が掛かっていて中に入れない。 俺は心配になって 「兄さん?開けて…」 って、声を掛けた。 でも、返ってきた返事は 「悪いけど…1人にしてくれないか?」 と言う返事だった。 俺はムッとして、部屋のドアを叩いて 「開けるまで叩くからね!ドア、壊すかもなぁ~!」 って、叫んでドアノブをガチャガチャ回してやった。すると観念したらしく、ドアがゆっくりと開いた。 でも、俺の顔は見ないで直ぐに背を向けられてしまい、俺は溜め息を吐いてドアを閉めると鍵を掛けた。 窓の外を黙って見ている背中に、俺はそっと抱き着く。 お父さんの理不尽さに、怒っているのがわかってるから。 だからせめて、そんな兄さんに寄り添いたいって思った。 黙ってギュッと抱き締めていると、兄さんの手が俺の手に触れてゆっくりと兄さんを抱き締めている手を剥がす。 慌ててギュッって抱き締めると 「葵、苦しい…」 って呟かれた。 慌てて手を離すと、兄さんがゆっくり振り返って俺の身体を抱き締めた。 俺も黙って兄さんの背中に手を回し、トクントクンと脈打つ心音を目を閉じて聞いていた。 兄さんの匂いと心音に包まれて、俺はゆっくりと目を閉じたまま顔を上げた。 すると兄さんの唇が重なり、軽く触れるだけのキスをされる。 唇が離れて、俺は目をゆっくりと開くと黙ったまま兄さんの背中に回していた手を首に回した。 黙って見つめ合い、再び唇が重なる。 軽く触れ合うキスを何度か交わし、兄さんの手が腰を撫でてTシャツの中へと手を差し込むと同時に、舌が差し込まれた。 舌を絡め取られ、もつれるようにベッドへと倒れ込む。 シャツを脱がされ首筋を舌が這う。 その状態でズボンの留め具を外され、ファスナーまで降ろされた。 その慣れた手際の良さに、兄さんの過去の女性の影を感じてしまう。 兄さんの舌が首筋から鎖骨へと降り、胸へと下りて来る。 「はぁっ!」 初めて他人に触れられた場所への刺激に、思わず息を吐き出していた。 胸の乳輪をなぞるように舐められ、そのまま口に含まれて吸われる。 「あっ……!」 兄さんの頭をかき抱き、与えられる快楽に身を任せた。 強く吸われた乳首を舌先で転がされて、再び強く吸われる。 「あっ…あっ…」 口から喘ぎ声が漏れて、恥ずかしくなって口元に手の甲を当てて声を殺す。 するとその手を掴まれて、深いキスを落とされた。思わず逃げる舌を、兄さんの舌が絡め取り吸い上げる。 「んんっ……」 くぐもった声を上げると、唇がゆっくりと離れた。 「葵……」 切なそうな兄さんの声に、俺も兄さんのズボンに手を伸ばしてボタンを外し、キツそうになっているファスナーをゆっくりと下ろす。 他人のファスナーなんて下ろしたのが初めてだから、ファスナーの音がやけに生々しい。 前を寛がせると、兄さんが俺を強く抱き締めた。そしてそっと頬に触れて 「葵、抱いて良いか?」 って囁かれた。 俺が頷いて、再び唇を合わせようとした瞬間、「ギャーっ!」ってけたたましい泣き声が下から聞こえた。 俺と兄さんは顔を見合わせて、思わず吹き出す。 「何処までも邪魔される運命だな、俺達」 兄さんはそう言うと、ゆっくり俺から離れて立ち上がり背中を向けて着衣を直した。 何故かズボンのファスナーを上げる音だけが、やけに大きく聞こえてしまい、今更ながら恥ずかしくなった。 俺も身体を起こし、脱ぎ捨てられたTシャツを拾う。 (又…未遂かぁ…) って考えていると、兄さんの手が頬に触れて 「心配させてごめんな」 そう言って、触れるだけのキスを落とした。 「先に戻るから、葵は後からおいで」 と言われて、俺も慌ててTシャツを着て着衣を直して兄さんと一緒に下へ降りた。
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