また来年も…

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「ごめんね〜、結局、邪魔しちゃって…」 母さんの言葉に俺と兄さんは苦笑いを浮かべる。 兄さんが舞衣を、俺が彗を抱っこすると 「ねぇ…、思ったんだけどね」 と母さんが切り出した。 俺と兄さんが視線を向けると 「あおちゃんが大学に入学したら、2人で私達が住んでいたマンションで暮らしてみたら?」 と言い出した。 「え?」 驚いた顔をした俺達に 「この子達がもう少し大きくなったら、今以上に2人の時間が持てなくなるでしょう?もっと2人の時間を大切にして欲しいの」 そう母さんは言って微笑んだ。 「此処にいたら、私達に遠慮してイチャイチャも出来ないでしょう?」 ニヤニヤしたながら言われて、俺と兄さんが真っ赤になる。 「あなた達には、あなた達の人生がある。だから、私達の犠牲になる必要は無いわ」 そう言って小さく微笑むと 「時々で良いから、あのマンションに風を入れに行く意味も含めて2人で行って来なさいよ。あおちゃんの荷物以外は、ほとんどそのままだから」 と母さんは言って微笑んだ。 そして兄さんに母さんの鍵を手渡し 「まぁ、そこでイチャイチャして来て。ここじゃ、田中さんやお父さんの目も気になるだろうしね」 と言ってウインクした。 俺と兄さんは顔を見合わせて、ひたすら苦笑いするしか無かった。
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