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新たな世界
桜子が目覚めたのは実家の自分の部屋だった。
カーテンの隙間から光が溢れて机の上の写真を照らしていた。
サララと一緒に撮った写真...
黒髪にショートヘアのサララ...
こんなに髪を短くした事ってあったかな...?
チョット違和感を感じながらベッドから起きて写真を見つめた。
随分 複雑で笑えない夢を見たと思った。
手を振りながら消えて行ったサララとサラサの笑顔が妙に気になった。
気持ちを整えて2人に電話してみた。
2人共 「使われていない電話番号」のメッセージを聞いて何も考えられなくなって暫く動けなかった。
どうすればいいのか分からないまま、とにかく2人に会いに行く準備をしていると下から声がした。
「さくちゃん、ごはん!」
「さくちゃん? わたしの事?」
そんな風に呼ばれた事は今まで一度もなかった。
母親の声じゃないし...
でも聞き覚えのある声だった。
「ひょっとしてサララ!?
一緒に家に来て泊まったんだ!」
1階へ転がるようにして降りてみるとサララが台所に立っていた。
でもちょっと変...
髪がショートになっているし、少し太っていた。
「おはよう...サラ...」
言いかけると振り向いた彼女を見て腰を抜かすほど驚いた。
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