新たな世界

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「だ、誰? ひょっとして...」 桜子は口ごもってしまった。 「何寝ぼけてんの? さくちゃん。 ホラ、手伝って。」 桜子は確信が持てないまま、そろりと隣に立ち手伝い始めた。 歳の頃は50過ぎ? もっとかな? 少し白髪混じりだけど顔は若々しいしスタイルも抜群だった。 「ねぇ さくちゃん、 さっきからジロジロ見てるけど、そんなに私のこと好き? それとも何か言いたい事でもある? まるでお化けを見てるみたいな顔してるけど... そう言えば昨夜から変だよ。 何だか全部がうわの空で... 彼氏が店で待ってたって言っても 彼氏?... 彼氏って... とか言っちゃって要を得なかったし。 ...ねぇ、ほんと大丈夫? 何かあったんじゃない?」 「ご、ごめん...なさい。 あの...何だか混乱してて... 疲れてんのかな... いくつか質問していい...ですか? 物凄く変で基本的な事。」 「さくちゃんのその困り顔がいつもの笑顔に変わるんなら。」 「じゃぁ...わたしの名前は悠木桜子でしょ。 父の名前は純次で母はいづみ... で...あなた...さま...は。」 「ふ〜う。さくちゃん... 美代。 栗野美代。 旧姓 悠木美代。 あなたのお父さんの妹。 さくちゃん...まさか わたしの事... 忘れちゃった? 悲しいな... でもどう...これで納得? 思い出した?」
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