復讐

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長谷部堅一さん... もちろん知ってるよね。 サララを救えなくて弟の堅治の身代わりになった。 元凶を取り除ければ、どんな時間軸でもサララも堅一さんも救える。 堅一さんがきっと全ての鍵を握ってる。 その事を彼は気付いていない。 それがどんな事なのかわたしだって分からない。 でも時間軸は間違いなく長谷部兄弟を軸として広がっているのは確かなの。」 「うん、サラサ... 何となくだけど分かる気がするよ。 でもね... そういう話じゃなくて... さっきわたし達が... 愛し合った事... これって...」 「桜子は忘れたの? わたしの身体って誰?」 サラサは自分の胸に手を置いた。 「そうか! そうだった! サララ...じゃん。 もしかしてその為に入れ替わったの? ...でもそんなはずないよ。 わたし達が出会ったのは2人が入れ替わった後でしょ? そんなはずない...」 「桜子とサララが付き合い始めたのはまだ全然わたし達が知り合う前。 だから本当に偶然の出会いだったと思うの。 サララはラウンドアースっていう大手IT企業財閥の1人娘。 あなたは大手不動産会社に勤めている。 サララは1人住まいを両親に懇願してあなたの会社に依頼したの。 知ってるでしょ。 わたしの育ての父親とサララの育ての父親が顔見知りだったって事。 それを任されたのが桜子... 貴方だよ。 覚えてないかな... そして何度か会う内に親しくなって行った。 サララは明るくて寂しがり屋だったでしょ。 頻繁に桜子をマンションに呼び出しては色々と悩み事を相談したり食事したりして楽しく過ごしてたみたい。 ほんとに覚えてないかな... 愛し合うのにそれほど時間は要らなかった。 ただ... 悲劇が起こったのはそのマンションだった...」
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