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品川駅からタクシーを拾って二子玉川駅まで30分程で着いた。
この駅からじゃないとサララの家へは2人共 行けないと思った。
記憶が戻っていると言っても部分的で未知の事が多いように感じていた。
タクシーを降りて見覚えのあるバス待ちベンチを見つけた。
間違いなくこのベンチに座ってサララを待った記憶が蘇った。
ここから車で2~3分だった覚えがあるのでコインロッカーに荷物を預け歩いてみる事にした。
記憶を辿りながら大通りから美術館前を通り曲りくねった坂道を登ると大きな門構えの家があった。
2人は顔を見合わせて頷いた。
「間違いない。ここだね。」
サラサもサララと入れ替っていた時の事を思い出していた。
2人は願い場所を始めようと壁際に移動して手を繋なぎ目を閉じた。
すると小門を開ける音が聞こえ婦人が出て来た。
「あなた方ここで何をしてらっしゃるの?」
婦人は怪訝な顔で2人を見咎めた。
「あっ、わたし達 怪しい者ではありません。
チョットだけ昔を思い出してて...」
桜子は支離滅裂だった。
「誰だって自分を怪しいとは言いません。
子供じゃないし2人で手とか繋いじゃって...
人の家の前で何やってるかと思えば...」
婦人はそう言いながらサラサを見て言葉を詰まらせた。
「あ...あなたはどなた?
見た事ある気がするけど...
昔この近くに住んでらっした?
お何歳?」
「えっ、住んでなかったと...
でもお聞きしたい事が...」
サラサは口籠ってしまった。
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