携帯電話

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「わたしの事 覚えていらっしゃるんですね?」 「ええ、勿論です。 お2人が最後の願い場所へ旅立たれて... いまどのような世界にいらっしゃいますか? しかし時空の隙間に落ちなくてほんとによかった。」 「長谷部さん、わたし... よく分からないんです。 忘れてしまっているようです。 ノートに出来事をメモしているんですが、 最近はサララって誰だっけ... とか考え込んでしまう事もあるんです。 でも今は凄くクリアですし画像がどんどん蘇って来てます。」 「ええ、多分そうだと思います。 このコンタクトは時間軸をクロスしています。 ですのであなたが今いる世界からの電話ではありません。 要するに私とあなたのいる世界が違うと言う事です。 ちなみに私の世界はお嬢様もサラサさんもあなたも居ない世界です。 記憶だけが存在しているんです。 どれほど辛い事か... 桜子さんの状況はどうですか?」 「わたしは毎日混乱してます。 記憶が戻ったり失ったりを繰り返しながら少しずつ忘れて行くって感じで... 信じられます? わたしはいま高1なんですよ。 以前 サララと長谷部さんに会った時はサララは中1でした。 それに... それにサララのお母さんに会った時、恐ろしい話を聞いたんです。 彼女は中1で失われたと... よく分かりませんが、多分長谷部さんの弟の仕業じゃないかと...」 「間違いありません。 弟が犯人です。 あっ、お伝えしておかなければならない事があります。 このコンタクトは5分がリミットです。 しかも1週間に1回しか繋がりません。 もう時間がありません。 次に繋がるのは1週間後です。 それ以外はあなたの世界の長谷部に繋がるはずです。」 「長谷部さん1つだけ... わたしは何から始めればいいんですか?」 「勿論お嬢様とサラサさんと美代さんに会うべきです。 そし---------」 「長谷部さん!? 長谷部さん!」
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