携帯電話

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この世界の桜子の拠り所は長谷部しかいなかった。 サララは中1でこれから何が起こるのか分からなかったしサラサは未だに出会えていないし、美代に至っては思い出す事さえ困難だった。 長谷部とのコンタクトから記憶が鮮明な内にこの世界の彼に連絡をすると家に遊びに来てもいいと言ってくれた。 ところが絶対に行かなくてはならなかった約束の日曜日は身体が重くて生理まで始まって行ける気がしなかった。 こんな大事な日にどうしようと思っていると携帯が鳴った。 「悠木様でしょうか。 こんにちは。長谷部です。 実はお嬢様に仕事のオファがまいりまして今日は時間的に厳しくなってしまいましたので日を改めて頂ければと...」 「そうですか、わたしは大丈夫です。 ちなみに何時頃からお仕事ですか?」 「11時から18時頃まで掛かりそうです。 今事務所で打合せに入りました。 申し訳ないです。」 「長谷部さん、わたし... ...分かりました。 出来れば早くサララちゃんと会いたいんです。 また連絡頂けますか? わたしいつでも時間合わせますので。 ちなみにどちらでお仕事ですか?」 「今 打合せ中なので分かりません。」 「そうですか。 今度お会い出来るのを楽しみにしていますとお伝え下さい。」 桜子は何故かしら身体が万全な状態でサララと会いたいと思った。
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