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「貴方も夢に導かれて来たのね。
ここは貴方にもサランにも大事な場所。
唐突だけど...
今度の日曜日午後6時...
ここに来てくれないかな。
うんん、必ず来て欲しいの。」
「わたしがですか?
どうしてここに来なきゃならないんです?
それにどうしてわたしの夢の事を知っているの。
何かの呪いとか恨みとかですか?
わたし...怖いんですけど。」
「そうね...
私も怖い。
でも貴方とサランを救わなきゃ。」
「救うって...
さっきからサランって誰です?
聞いた事もない人ですが...」
「貴方は忘れてしまってるだけ。
今まで貴方達は私を必死に救おうとしてくれてたの。
そのお陰で今がある。
多分すぐには思い出せないし、もしかしたらずっと思い出せないかも知れない。でもね、その日に来てくれたら全てを思い出す可能性があるしサランも救える。
だから...」
「おばさんは誰ですか?
わたしを誘拐でもするつもり?
お金が欲しいの?
いくらわたしが中学生だからって、そんな作り話を信じるとでも?
わたし...もう帰ります。」
「サラサ...
私は嬉しかった。
貴方にこうして会えて。
そうね、感謝しなきゃね。
...つい欲が出ちゃって。
ごめんなさいね。
分かったわ
幸せになってね。
...さようなら。」
「わたし...
さっきからおばさんと何処かで会ったような気がする。
それにわたしの名前も知ってるし...
勘違いだと思うけど...
遠い親戚かなんかですか?
でも...もういいです。
おばさんのお名前だけでも教えくれませんか?」
「名前なんてどうだっていいけど...
...美代
...悠木美代。」
「そうですか...
ユウキミヨさんですね。
じゃぁ、さよなら。」
サラサは帰りの電車の中で何故かしら涙が溢れて仕方なかった。
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