新たな世界

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サラサは隣りに座った桜子の肩を自分の方へ向け見つめた。 「ねえ桜子。 それは、わたし達2人だけの秘密にしようって言ったよね。 サララの事は誰も知らないし... それにもう(かたき)は取ったじゃん。 わたし達の手で... ...でも思い出したんだね。 ここじゃない違う時間軸の世界。 良かった... わたし...心強いよ。」 「ちょ... ちょっと待って... ごめん... サラサの言ってる事がまるで分からないんだけど...」 「うん... よ~し分かった。 今夜必ず早く帰るからしっかり話し合おう。 どうも最近、わたしもサララの夢を見るんだ。 気にはなってたから...」 サラサは桜子の髪を撫でながら呟いた。 「ところでさ、 彼氏とは上手く行ってんの? お母ちゃんが言ってたけど 昨夜も来てたみたいだよ。」 「その事も含めて今夜じっくり話してくれるかな?」 桜子はサラサの手を取りながら言った。 「わたしの事... 好き? ...愛してる?」 サラサは突然 桜子の手を重ねた。 「え?...」 桜子は大きな瞳を天井に向けながら言葉の意味を咀嚼した。 「分かったよ... その事も今夜ね... ほら...もう遅刻じゃない? 仕事でしょ。 会社行かなきゃ... まさかそれも忘れたりして?」 サラサは桜子の手を掴み直して見つめた。 「うん、会社... どこ行くんだっけ?」 「呆れた娘... 快天不動産でしょ。」 「そ...そうだよね。 まだあそこで働いてたよね... ...確かにもう遅刻だ。」 桜子はベッド脇の目覚ましを見ながら言った。 「さあ、頑張るのだ。 わたしも撮影ガンバルし!」 サラサは立ち上がった桜子のお尻をポンと軽く叩いて微笑んだ。
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