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サラサの時間軸
「だから、さくちゃんが見たのは過去の私だってば。
あの時、美代さんのアパートから出て来たのはあの男を気絶させて自分の時間に戻ろうとしてた時のわたし。
その瞬間 何が起こったか分かるでしょう?
助けたお母ちゃんもサララもさくちゃんも皆んなの未来が変わったの。
さくちゃんはあれから次の時間軸が今だって思うかも知れないけど、わたしとサララが行った世界は全然違ってた。
狂気に満ちた出来事の連続だった。
それにそれまでの記憶が消されていてわたしとサララは昔のように全く別々の暮らしをしていたの。
サララはアイドルやってたけど、わたしは何やってたと思う?
自分でも信じられなかった。
在学中に国家試験に合格して法律家になるのは当たり前だと思うよ。
でもね、弁護士の仕事は学生の頃から誰よりも早く始めたけど法律の何たるか、法律の網が全ての罪を網羅出来ないって言う限界を知ったのも誰よりも早かったの。
悩んだ。すごく悩んだ。
間違いなく罪を犯しているのにわたしの目の前をピースサインしながら裁きの土俵を悠々と去って行く犯罪者。
わたしは違うと思ったの。
これはわたしが求めて来た世界じゃないって...
そして答えを導き出した。」
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