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「わぁ...…すごい」
少年は満天の星空を見上げて歓声をあげた。
「すごいね」
すぐ側で男が頷いた。
「なんて綺麗なんだろう……。こんな場所があったんだぁ。ありがとう、教えてくれて」
少年は男に礼を言った。
「いやいや、礼には及ばないよ...…君はこの星を見るに値するような原因を作ったんだからね」
「原因?」
「そうさ、原因がないのに結果だけあるなんてことはないんだよ……物質にしても精神にしてもね」
「……なんだか難しい話?」
「難しくはないさ。ご飯をいっぱいたべたらお腹がいっぱいになるだろ?」
「うん」
「そういう話」
「なーんだ、簡単だね」
「だろ?」
「でも不思議だな」
「なんで?」
「僕そんな原因をいつ作ったんだろう?」
「そりゃあ覚えてないさ」
「なんで?」
「生まれる遥か昔の話だもの」
「……え?」
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