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おまけ3・これからも※
「酷い目にあった。」
夕食を済ませた後、どこか疲れきったように呟くギルに俺は苦笑いを浮かべながら返す。
「ごめん。」
でも、あれは誰でも目撃したら誤解するような。だってあんな大胆な格好、なかなかしないし。
よからぬことをしてるのではと考えてしまうのも無理はないはず…だよな?|д゚)チラッ
「ふん、何故俺が人助けしただけでこんな目にあわなければならん。」
「だからごめんって。」
「謝る必要ないよ佑月。タイミングの問題だから。それにギルにも非はあるし」
「あ"?あれはどう見ても緊急時だっただろ」
「そうだねー。けどギル、吸血されてやけに気持ち良さそうな顔してたでしょ?」
「………っ!!」
「ほら図星」
「え。そうなの?!」
確かに目がやけにトロンとしてたのって。
「…………生理現象だ。吸血行為は血液を摂取する際、媚薬を注入される。俺がその気でなくとも反応するのは仕方ない。」
ふてくされたようにそっぽを向くギル。
そう言われてみれば確かに、俺がミーナさんに一度だけ噛みつかれた時もやけに体が熱かったな。
「それはともかく、あのおじいさんに佑月を紹介するのは良いけど。目の前でディープキスする必要あった?!」
「あるだろ」
「ははは…。」
そう、実はあのあと誤解を解くための1つとしてギルにキスされたのだ。
なんでも俺がギルの恋人だと証明するためらしく。
おじいちゃん、大喜びだったな。
俺は酸欠するかと思ったけど。
思い出しただけでも恥ずかしっ!
「まあ、なんやかんやあったが俺は嬉しかったぞ。貴様がミーナに放った言葉」
「へ?俺なんか言いましたっけ」
「なんだ貴様、俺の口から言わせるとは。小賢しい奴め」
「えええ?!だって俺本当に覚えてないし!」
「まあ良い、代わりに答えてやろう。貴様は確かに言ったぞ。俺の恋人に手を出すなってな」
「あ。。」
あれか。
いや、俺も自分の口からこんな言葉がでるとは思ってなかった。
どこぞの恋愛漫画のセリフだ馬鹿野郎。
「あれは勢いというか、なんというか…」
「では誤解も解けたところで本題といこう」
「へ、本題?……ぅわ!!」
トサッと乾いた音に視界が反転する。
気づいたときにはベッドの上、それはすでに手遅れで。
近くには押し倒した張本人の姿が。
「あの、、え。ギルさん?これってもしかして……。」
「ああ。察しの通りだ」
わー、舌舐めずりが妙に様になってますこと。
珍しく状況を理解した俺は抗えない期待とガンガン鳴り響く危険信号に本能的に逃げ出したくなった。
ナニコレ急展開過ぎない?!
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