アンジーとオフィーリア

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[Bar トリスタン] カウンターで飲む一人の紳士 彼を見つけて奥の席から一人の 女性が近づいて来る 「こんばんは お隣いいですか?」 笑顔で話しかけてきた 「君は、オフィーリア…」 「フーちゃんでいいですよ オブザーバー」 そう言うと隣の席に座った 彼女を横目で見て渋い顔になる ロナルド(アンジーだな~) おもわず彼の顔が浮かんだ 「お一人ですか?」 「さっきまで娘と一緒だったんでね」少し頬が緩む 「確か、シベール 何度かアンジーと一緒の所 見かけましたから」 「見かけたって?」 ロナルドの眼鏡の奥の瞳が 冷たく光った 「あら、もちろんデートでしょ」 その言葉で不機嫌な顔になる 「父親としては心配ですよね」 遠い目をして言うオフィーリア 「それで君はどうしてここに?」 「仕事の打ち合わせ」 そして思いっきり伸びをした 「えっ?、こんな所で?」 「こんな所で悪かったね!」 目の前のマスターが小声で言う 「あっ、いやマスターその…」 しどろもどろになるロナルド 「という名の飲み会、なんせ飲んべえな社長さんだからねぇ」 口元に笑みを浮かべ奥の席を見る そこには髭もじゃの男性と青年が座ってこちらに手を振った テーブルにはウイスキーとグラス すっかり出来上がっていた 「なるほどね…」 でしょ!ただの酔っぱらい」 楽しそうに言うオフィーリア 「そう、うちのお得意様ですよ」 満面の笑みのマスター おもわず苦笑いになるロナルド 「でも娘さんとデートだなんて いいですね」 話題を元に戻す、なんだか羨ましそうな表情なオフィーリア 「今だけだろうな…」 複雑な顔でため息をつくロナルド 「マスター」 奥の二人がカウンター席に来る 「ごちそうさまでした 今晩はこれで帰ります」 見た目とは違い紳士な態度 よく見れば整った顔立ち、隣にいる青年とはそんなに年が離れてるようには見えない 「ところでフーちゃん いつもの彼氏は?」 「彼氏って?」 ちゃかすように聞く髭もじゃの彼にとぼけた返事を返す 「ほら、あの派手で超ハンサムな 彼だよ!」顎髭を撫でながら聞く 「アンジーは彼氏じゃないわよ」 怒ってソッポを向くオフィーリア 「じゃあ、これで」 みんなに一礼して一人店を出る
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