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静まり返った総理官邸で、男二人の会話は続いた。
「是川、あんたは最後の最後まで国民の親父で、立派な総理大臣だったよ」
「そう言ってくれるか……。あ、神田お前、煙草は持ってるか」
「ああ、セブンスターで良ければ」
「久しぶりに一服しようや二人で」
「執務室は禁煙ですよ、総理」
「今更、馬鹿を言うなハッハッハ」
堅物神田の珍しい冗談に、是川は久しぶりに大笑いした。そして学生時代からの朋友二人は最後の煙草に火をつけて、禁煙の内閣総理大臣執務室で美味そうに煙を吐いた。
「さて神田、隕石の地球到達までどれくらいだ」
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