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こっちのセリフだわ!
「もう彦星、彦星じゃないって20分くらい言い合ってるけど、まだやる?」
「何ですかその態度」
「だってもう帰りたいよ。暑いし」
「私だって汗だくだくですよ。こんな和装だし!」
「じゃあもうお互い帰ろうよ」
「いやいや、意味わからんでしょ。織姫と彦星が七夕の日に会って、20分でお互い帰るって」
やはりこの子は気付いてないのかな?
「ていうか、1年前に会ってるんだったら、俺が彦星じゃないってわかるでしょ」
「それはその……、私って普段から適当じゃないですか」
「知らんけど」
「そこまでいうなら、あなたはおそらく記憶喪失の類いが起きているのでしょう。可哀想に。あなたは本当は彦星様なのですよ」
「違うから、絶対」
それはありえない。
「じゃあ違うって証明出来るんですか!? できないでしょ! あぁん」
「こえーよ」
「いい加減諦めてください」
「こっちのセリフだわ!」
「いい加減しつこい性格ですね」
「こっちのセリフだわ!」
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