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たどり着いた先で出迎えてくれたのは、笑顔が素敵な夫婦だった。裕道は藍染のバンダナとTシャツ、果乃子は生成りのバンダナと草木染のワンピースを身に着けている。
「お客さんが来るっていうのに、天気がいいから洗濯物いっぱいですみません」と果乃子が言う庭には、確かに洗濯物や布団が干されている。
都内のマンションに住んでいる真里菜には、庭先で布団が干せるのが贅沢に思えた。秋の日を浴びた布団は、きっとふっくらとしていい匂いがするのだろう。
「どうしましょう。先にギャラリー行きますか?」
「あ、じゃあお願いします」
裕道に促され、4人でギャラリーへ向かう。自宅の一部を改築して作られたギャラリーの入口には藍染の暖簾がかけられ、「灯彩工房」の字が白抜きされている。
「何だかお蕎麦屋さんみたいですね」
結希が言うと、裕道と果乃子が同時に笑った。
「いいでしょう? 創業百年の老舗です! みたいな感じで。実際はここに引っ越してきて4年くらいなんですけど」
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