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裕道がひょうたん棚に案内してくれる。まだつるにぶら下がっているひょうたんや、ランプにするために乾燥中のひょうたんを見せてもらう。
「あっちには種抜き中のひょうたんがあるんですけど、すごく臭いのでおすすめしません」
そう言って裕道は苦笑いした。
ギャラリーを先に見せてもらってよかったと真里菜は思った。綿花を見て糸を想像するのは難しいが、先に糸を見ると綿花から糸が生まれる物語を感じられる。
昼食は果乃子が手料理を振る舞ってくれた。なすと豚肉の炒め物に根菜の煮物、きのこごはんにきのこ汁。育てた野菜やもらった野菜ばかりなのだと言って果乃子が笑う。
昼食を食べる部屋では6匹の犬が食事を共にしていた。裕道も果乃子も結婚前から犬を飼っていて、結婚したら大所帯になったのだと裕道が説明してくれた。
古い民家を改装したという家には縁側があり、気持ちのいい風が庭から吹いてくる。
食事を終えて人心地ついてから、ICレコーダーで録音しながらインタビューを始めた。今回のインタビューは前半と後半に分け、前半を月曜日、後半を水曜日に放送することになったので真里菜も結希もさまざまな質問をした。
どんなきっかけでものづくりを始めたのか、苦労話や嬉しかったエピソードなどを聞いているうちに、結希がICレコーダーを止めた。
「あの、オフレコでお聞きしたいんですけど」
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