20**.08.15 霧島隆也

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  ポケットの中でくしゃくしゃになったハガキに綴られたヒロの筆跡を目で辿る。   初めに彼をそう呼んだのは誰だったか。彼がそれで幸せだと誰が決めたのか。いったい誰が彼を殺したのか。   汗ばむ手が水性の文字を滲ませる。誰かがヒロの心を滲ませた。   誰が彼を殺したのか。――彼が彼を殺した。   僕はそれを確かめるために訪れたのだ。   バスの中から小さくなる家々を眺める。僕を劈くある種の感情はこの地に葬り去られる。   さようなら、ヒロ。   二度と笑うな霧島隆也。   
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