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登場人物紹介
紫園
記憶を失くした青年。奥尔罕の帝都阿耶から東にある港街、泉李の大火で生き残っていたところを助けられ、金亀楼に下男として引き取られる。読み書きができ、剣も使える謎多き人物。赤みがかった栗色の髪に、珍しい紫色の瞳の持ち主。
璃凛・藍那
母から伝えられた双極剣の遣い手であり、女ながら用心棒で生計を立てている。現在は帝都随一の色街、紅籠街の娼館、金亀楼で働くが、訳あって母の名前である藍那を名乗っている。十八歳。
愛紗
金亀楼の魁花(最高級の娼妓)であり、藍那のよき話し相手。染物組合の長、慈衛堵の第二夫人として身請けされる。
由真
金亀楼の下女。幼いときから奉公している明るいしっかり者の十二歳。空いた時間に藍那に読み書きを習っている。
杏奈
紅籠街の娼妓たちに弦楽(つる)と歌を教えている師匠。泉李の大火で妹一家を失い、その焼け跡に倒れていた紫園を成り行きで引き取り面倒を見る。
柴門
金亀楼の男衆のまとめ役。気は荒いが子どもには弱く、用心棒の藍那のことを秘かに慕っている。紫園の正体に疑念を抱いて彼の過去を調べようとする。
杷萬
金亀楼の楼主で藍那の雇い主。勘定にうるさく抜け目のない商売人。藍那にはそれなりの敬意を払っている。
秧真
杷萬の一人娘。ごろつきに絡まれていたところを藍那に助けられ、以来姉のように慕っている。十五歳(奥尔罕では婚約する年齢)。世間知らずのためか由真より子供っぽいところがある。
亜慈
金亀楼の賄い方を取り仕切る南部出身の料理人。巨躯に厳つい風貌だが面倒見が良く、世話焼き。離れて暮らす母親と兄弟のことをいつも考えている。
陦蘭
正十字教国から来た錬金術師。乳汁と糖蜜を凍らせて作る舎里八の製法を編み出した。
回龍
聖山荒羅塔の結界寺院に籠もる高僧。璃凛の母藍那の過去を知る唯一の人物。
蔵人
帝都で武具商人を営む華羅出身の壮年男。
穏やかな気性と一途に妻を愛する好人物。頬の刀傷と身のこなしから、かなり腕の立つ剣客であったことを窺わせる。
花蓮
蔵人の妻で同じく華羅出身。振る舞いから高貴な出自を匂わせるものの過去は一切不明。膝から下が不自由ではあるが、読書と乗馬と狩りを好む。
藍那に蔵書を貸してくれる良き友人。
宮遮那
北の遊牧民泰雅出身の剣客。泰雅特有の銀髪碧眼に端正な容姿を持つ。弱いものをいたぶる残忍な性格。その正体は華羅の特務機関》の刺客。
卯夏
華羅人街の名刹、通称の管主。奴隷の身から努力の末に管主まで上り詰めた。
優れた法力の持ち主で、その人徳は多くの人々から慕われている。
晴夫
華羅人街に住む研師。水蛙功の達人。
黒曜大陸出身の元宦官で、研ぐ対象の《声》を聞くことができる。
塁
慈衛堵が雇っている羅典出身の密偵。やや小太りの人当たりのよい男だが、武術の心得もそれなりにある。
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