episode 1

1/1
183人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ

episode 1

ピピピピピッ スマホのアラームで目を覚ます。 午前6時。 いつもの癖で設定した時刻だが、特に予定はない。 せっかくだし、と手早く身支度を整えて家を出る。 通勤にはまだ少し早く人通りは少ない。 肌寒い空気の中、ゆっくりとあたりを見ながら散歩をする。 あてどなく路地を行きしばらくすると、昨日見かけた公園にたどり着いた。 ぼんやりとブランコに腰掛ける。 (ブランコなんて何年ぶりだろう・・・) ゆっくりと漕いでみる。前に、後ろに景色が過ぎる。 頬を切る風が冷たくて気持ちいい。 しばらく遊具を満喫し、またコンビニによって家に戻る。 今日はコーヒーを買ってみた。 トーストしたパンと挽きたてのコーヒー。 かなり手抜きだけれど、なんだか贅沢に感じる朝食になった。 いつまでもこんな簡素な食事を続けるのも良くないな、とレシピサイトを見る。 簡単にできて、材料費が安くて片付けも楽。 主婦ってすごいな。と思いながら自分でも作れそうなレシピを保存し、買い物リストを作っていく。 夢中で見ていると既に日は高くなり、時刻は10時になろうとしていた。 (せっかくだし、今見たレシピでごはん作ってみようかな) 今度は駅前の商店街まで食料を買いに行くことにした。 いろいろなお店を見て回り、食料を買う。 一人暮らしで使い切れるのだろうか、と心配になる量になってしまった。 (帰ったら早速昼食の準備をして、冷凍できるものは冷凍保存、と) レシピサイトにはありがたいことに保存方法なども書かれていた。 主婦の知恵のおかげで食材を無駄にすることなく使うことが出来そうだ。 昼食を済ませ残りの食材を保存する。 現在14時。お店は22時からで、21:30ごろには店に来るように言われている。 (少し寝ておこうかな。お店にいるときに眠くなりそうだし) バイト初日に居眠りなど、絶対にできない。 夜に備えて少し眠ることにした。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!