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「ユキさんは、ハルのこと好き?」
寝室でゴロゴロしていると、唐突に難しい質問が投げかけられました。
その質問に黙ったまま、頭の中で少し考えたけれど答えは出ないので、代わりに女の子が喜ぶような回答をした。
「もちろん、ハルは優しいからね」
「えー!私の方が好きだからだめっ!」
「えぇ、そーなの?」
なんという修羅場。
こんな可愛い女の子と1人の男を奪い合うのは気がひけるけど、負けず嫌いなわたしは引けない。
「私の方がね、ハルの優しいところ好きだもんねー」
意地を張る女の子はベロを出して敵対意識を剥き出しにする。
「わたしはハルが鼻をほじってるところも好きだよぉ?」
見たこともなく、それにそんなところ好きでもないけど、くだらない土俵でわたしも意地を張る。
こんな子供相手にムキになるのもハルが悪い。
「え。あ!私もハルが鼻ほじっててもなんとも、思わないもん」
「食べてるの見たことないでしょー?」
「えぇ、、あ、あるよ」
「食べたことないでしょー?」
「ええぇ」
パシッ!
「嘘言うな!バカっ!」
言い争い中に調子こいてると、背後から部屋に入ってきたハルに気づかず頭をぶたれた。
「いでぇ!」
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