ハル

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 「ユキ、起きてよ」 「うーん」 身体が揺さぶられて意識を感じる。 やっぱり優しいハルの声と暖かな光にまたも気持ち良くなってしまう。 そんな事よりも昨日は、なにがあったんだっけ。 ぼやけた頭で考えたていくと、それははっきりと覚えていた。 身体をベットから起こして、ここが部屋であることも把握できた。 わたしの隣にいるハルの目を見てニコッと笑ってみる。 そうするとハルも笑ってくれた。 パシッ! 「いったぁ!なにすんだよ!」 「誰の体重が重いじゃいっ!」 ハルの頭を叩いてすっきりした。 「朝ごはんですぅ、イチャイチャしてないで早く来てね」 「はぁーい」 「今行くよ」  昨日あれだけ怒っていた女の子は、昨日ハルの言った通りに機嫌は治っていた。 でも、あんなに怒っていた女の子をハルはどうやって慰めたのだろうか。 そうも思ったけれど。別に知らなくてもいいこと、機嫌がいいならそれでいいんだと思います。  その後、女の子に言われたように朝ご飯を食べにリビングに向かうと、既にテーブルには食卓が並べられていてます。 パンにレタスと目玉焼きがのっていて、その上からマヨネーズをジグザグにかけたもの。 これはわたしの大好物なんです。 「おはようユキ。もうご飯できてるわ」 「起きたか。飯食うぞぉ」 お皿洗いをする女性と、わたし達を待っていたかのように新聞をタイミングよく読みやめる男性。 こんな感じの家族なら毎日が楽しそうで羨ましいです。 ないものねだりを唱えながら「おはよう!」そう元気に挨拶してテーブルに着き一口目を頬張る。 「おいひいー」 「まだ作れるから、足りないなら言いなさいね」 「はぁーい」 こんな幸せなこの時間がずっと続けばいいですね。 「太るぞ?」 「うるさい!」 一言が本当に余計なハルは嫌いです。
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