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発情期を終えた秋が学校に戻ってからも、いつもの日常が過ぎていく。
気付けば天たちが入学して5ヶ月の月日が過ぎ去っていた。
春には体育祭があり、宙や旭を応援したり、足が遅く転んでしまった秋を慰めたり。
夏には4人で集まって夏祭りに出かけたり。
夏休みを終え、投稿する天達は真っ黒になったクラスメイトや課題が終わってないと半泣きで課題をするクラスメイトに笑いながら始業式を迎える。
「久しぶりの学校……疲れるね………。」
天は机にへばりつきながら呟く。
「おう。夏休みもう1回来ればいいのにな。」
そんな天の様子に苦笑しつつ旭が同意する。
「ほんとだよー……。」
どことなく元気の無い天。
夏休みの終わりごろから時折下腹部の鈍痛に悩まされている。
「天ちゃん大丈夫?最近具合悪そうだよね?」
「宙くんに心配させないでよねっ!」
秋は出会った頃と同じきつい口調ではあるものの、心配する様子が伝わってくる。
「ふふっ。ごめんね秋くん。宙くんも、大丈夫だから心配しないで。」
「そうは言ってもお前、顔色悪いぞ。」
「ちょっとお腹痛いだけだから大丈夫だよー。」
みんなに心配を書けないようにと笑う天であるが、その顔色は悪く、笑顔に覇気がない。
「心配だからちゃんと病院行こうよ。…………ちょっと気になることもあるし………。」
「?……どうしたの宙くん?」
どこか真剣な表情で考え込む宙。
「うーん…気の所為だといいんだけど……。とりあえず、次のお休みには絶対に病院に行くこと!」
ちゃんと行かなかったら僕も着いて病院に行くからね!と宙。
そんな宙に大袈裟だよと笑いつつ、その真剣な表情にほんの少しの不安を抱きながらはぁーいと返事をするのだった。
この時はまだ誰も天の体に起こっていることに気付いていなかった。
たった1人宙を除いて。
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