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1年A組に着いた生徒たちは各々指定された席に着く。
席順はどこの学校も同じであろう出席番号順。
30人学級の25番目にあたる天の席は窓側から2列目の1番後ろ。
前の席はあの少年だろうと、何故かどきどきと高鳴る胸を意識しないよう周囲を見渡す。
入学式で隣だった村山は隣の列の1番前に、旭は教室の中央付近におり、それぞれ周囲の生徒と話をしている。
多くの生徒が同じようで、皆近くの席になった人と会話を楽しんでいる。
天も誰かと話したいと会話を試みようとするのだが、右隣の生徒はそのまた右隣の生徒と盛り上がっており、左隣の生徒は本を読んでいるからか声をかけても無視されてしまった。
前の席はあの少年で、新入生代表挨拶の関係なのかまだ教室に辿り着いていない。
「どーしよ………。」
寂しさのあまり、旭の所まで行こうかとまで思った天だったが、左斜め前の席の生徒が頬杖をついてつまらなさそうにしていることに気付き、その生徒に話しかけることにした。
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