お父さん

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目を覚ますと梅雨の合間の晴れ間だった。カーテンを開けると明るい日差しが部屋の中に差し込んだ。 うん、良い天気だ。嬉しいな。 階段を下りてリビングに行く。朝ご飯の美味しそうな匂いがふわりと漂っていた。 「おはよう、りあかちゃん」 「おはよう、お母さん」 お母さんがご飯をよそうてくれたお茶碗をわたしの目の前に置いた。 「舞夏(まいか)は?」 「あ、あの子はまだ寝てるかも。寝坊助さんなんだから」 とお母さんが言ったところで、 「ふぁ~眠たいよ~お母さん、お姉ちゃんおはよう」舞夏は眠たい目を擦りながらリビングに入ってきた。 そして、わたしの隣の席に腰を下し手掴みで玉子焼きを食べた。 「こら、舞夏! ちゃんとお箸で食べなさい!」 「う~ん、だってめんどくさいもん」 こんな朝のやり取りが毎日のように繰り返される。ごくごく平凡な毎日だ。
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