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100点満点の星空の下で
「よーし、今日最後のメールを読むよー。
ラジオネーム・ナス色の髪の淑女って、ラジオネームのパンチのクセがすごいな。『<Purple(パープル) Attract(アトラクト)>の結成した話が聴きたいです!』
お、久々に来たねー。今回はどんな脚色をしようかなー。まともに話すと大変なことになるからねー。
おっほん!
あれは夜空に燦々ときらめく星降る夜。
小高い丘の上で満月とその星々に照らされ、草の上で寝転び、夜空を飽きることなく眺めていたの。
当たり前だけど、天気が良くてねー。熱くも寒くもないちょうどいい気候だったのよ。
何もすることがないんじゃなくて、なんにもしたくなくて何も考えないでいた。要するに頭を空っぽにしてたわけ。
で、ある瞬間から流星群から視点を満月に移してみた。自然な感じでスイーってなもんだよ。
あの絶妙な色合いと、不気味なようで落ち着くような不思議な存在感。よく月にはうさぎがいるっていうけど、あたしには全体としてしか捉えられなくて、真っ白もしくは真っ黄色いスイカか瓜にしか見えないんだよね。
そんなスイカをじーっと注目していると、近いんだか遠いんだか遠近感が狂ってくる。すると、だんだん気持ちが上がったり下がったり、前向きになったり後ろ向きになったり。祝福されたり罵倒されたり。まさに天国と地獄。同じ意味かもしれないけど、まあ、プラスとマイナスの様々な感情が出たり入ったりしてたんですよ。
最初はだいたい3分単位で、次に2分、1分、30秒、15秒、10秒……最後は1秒単位までいって、これはヤバイ! と思って獣の類のごとく叫んでみたら、感情の出入りがパタッと止まっちゃったの。
満月を見るのをよそうと、星に目を向けてみたら、今度は次々に流れ星が落ちていき始めましたね。そのとき、バンド名が決まってなくてさ。それにともなって曲の方向性も決まってなかったの。それがバンド名や今まで発表した曲の歌詞やメロディライン、バンドの方向性が全部降りてきたんですわ。
ちなみに流れ星は、10秒に1回ぐらいのペースで落ちていくから、その度にいつの間にか傍らに山と積まれた新品のノートに殴り書きしていきました。いやー、あのときは腕がもげないかめちゃくちゃ心配したよ。
最後に流れ星が落ちたと同時に覚醒。ベッドの傍らには書き殴ったノートが何十冊も散らばってたのよ。
……そう、全部夢だったんです! 要するに見た夢ですべてを決めちゃったってこと。
信じるか信じないかは、このラジオを聴いている貴方しだいってことで。
あと、よい子のみんなも聴いてるということもあって、表現は抑えめにしてみました。18歳の誕生日を迎えてもファンだったら聴いてね☆
え? もう時間? ……それじゃ、お相手は『Purple(パープル) Attract(アトラクト)』のボーカルのスミレでしたー。おやすみなさーい」
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