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ムイン荘
此処はムイン荘。
普通のアパート…とは対極にあるアパートだ。
なんせ、吸血鬼に不死身のブリッジさん、
絵で描いたものを具現化する魔法使いに、
音の魔女、万能何でも屋、ケモミミの人、
白亜期から生きてる妖怪などなど、
はあ?!
そんなんあるわけないやん!
的な人々のオンパレードだ。
まぁ、俺が言えることではないんだけれど。
朝日が窓から射し込む。
ベッドに横になっていた独占は目を覚ます。
起きたばっかりだからか眼が霞む。
欠伸をして腕を伸ばしたら、目を擦る。
日差しが眩しくて眼が半開きだ。
「今何時だ……?」
針は午前6時12分を指す。
「早起きだなぁ。いつもより2分くらいはやいな。」
ベッドから降りてタンスの方に行く。
服を着替えるつもりのようだ。
ここで、一つ注意がある。
独占ははっきり言って、
服選びのセンスがない。
ないどころか壊滅的だ。
0じゃなくてマイナスだ。
コーディネート紹介をしてみよう。
帽子はシルクハット(何処から入手したんだ)
ダメージジーンズ(片足だけ完全にない)
Tシャツ(胸の辺りに大きく<酒>とかいてある)
上着の茶色いコート(ちなみに今は夏である)
眼鏡(ハリー・ポッターのつけてるやつ)
とまぁ、言わずもがなだ。
見れば分かる。
って、本当にそれで出掛けようとしているのか?!
正気の沙汰じゃないだろう。
アパートの住人でさえ引くぞ、それは。
ぎぃ
と軋むドアを開けて、外に出る。
「おはようございます。」
「おは……… 😲」
誰かと会ってしまった様だ。
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