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ショッピング!
ということで、買い物に来た。
流石に服は貸してもらった。
独占は服のバリエーションがめっちゃ少ない。
先程の格好の長袖、半袖版があるのみだ。
「ということで!せんさんの服を買おう!!」
「「おー!!」」
おー!の声が重なっているんだけれど…
それもそのはず。
桜霞と来たは良いものの、丁度入り口でばったりと、猫み…おっと、危ない危ない。いぬ耳の代理と不死身のブリッジさんこと流。管理人のほのんさんと会い、それに同行することになったのだ。
「…にしても、何で桜霞は独占さんの服を買うことになったの?」
と、ほのんさんが問いかける。
「あーw、それは。せんさんの服装が最ww先w端ヒッwすぎwwてw」
死ぬんじゃないかってくらい笑いだした。
思い出し笑いだ。
一応、本人隣に居ますからね!
「ほら、この写真。見てみて下さいよ…」
と、ポケットから携帯を取り出して見せようとするが…
「あれ?」
そこにもうその写真は無かった。
独占はこっそり桜霞の携帯から写真を消していた。先の桜霞の反応から、何かしら自分の弱みとなり得るの可能性を感じたのだ。
………え?
どうやってパスワードを解いたかって?
あー、それは企業秘密。
「あれ、え?おかしいですね。撮っといた筈なんだけれど…」
「えー、みたかったなぁせん殿の最先端の服。お洒落なんだろうなぁ。」
と呟くブリッジさん。
「あっ、はは、ソウデスネー。」
苦笑いする桜霞。
ほのんさん。その予想はまずい。
夢は夢のままの方がいいですよ!
あ、あとこれはほのかさんに言いますけど。サトシじゃないですから!確かに半袖短パンだったけど、サトシじゃないから!!
ほのかさんならわかりますよね?(圧)
まさか、もう言いませんよね?
返事は?
よろしい。
今度言ったらモンスターボールに永遠に閉じ込めますよ。(⌒‐⌒)
と、ひとしきり服を選んだあと、
(結構着せ替えがカオスだった。独占が選んだ服は絶望だった。途中からみんなふざけはじめて、生後8ヵ月の赤子がシルバニアファミリーを遊んだときのような混沌。結局、桜霞が選ぶという結果に終わった。一件落着!)
「ふー。疲れたぁ」
それもそのはず。着せ替えは前述の通り混沌である。それを鎮めるのにどれだけ体力を使うか………桜霞さん。お疲れ様です。
ズズッと音を立てて珈琲を二人は飲んでいた。あの三人組とは服選びの後に別れ、流石にお礼をしようと独占は珈琲を奢っていたのだ。
「お疲れ様、桜霞くん。」
「いえいえ、此方こそ、珈琲をどうも……」
虚ろな眼をしている。
それもそうだ。カオスのおかげでもう外は暗くなっていた。夜の9時。決して遅いわけではないが、眠気のピークがここだろう。
「でも、服選びは終わりましたし。これで、せんさんの次の犠牲者は生まれない筈。せんさん。いいですか、今日買った服のどれかを組み合わせていればいいんです。そうすれば………時代を置いてき堀にせずにすみますよ!」
「うーん。私のファッションはひとつ時代が先だったか……」
と、真面目に考える独占。
「にしても、せんさん。珈琲飲まないんですか?冷めますよ。」
独占はまだ一口も珈琲を飲んでいなかった。
「ああ、そうだね。」
ごくっ
と、飲んだ瞬間。
そのまま独占は机に倒れた。
「せんさん?!」
肩を揺さぶる。だが反応はない。
首の懐中時計は紫色に光っていた。
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