幼馴染みとモフ耳

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10分しない内に商店街のほぼ真ん中に位置する八十亀の食堂兼自宅前に到着した。 腕時計の時間を確認する。 自転車から降りて、商店街の道路の真ん中に陣取る 自転車置き場の適当な場所に自転車を止めた。 この商店街に並ぶ店舗は殆どが2.3階建てだ。 そして、その店舗の屋根より更に4.5m上にアーケードの天井がある作りだ。 人が行き交う道路も広々としていて、車の侵入は1部の道路に限られているのでほぼ歩行者天国?の様相だ。 しかし、道路の真ん中に自転車置き場がある為 人の流れは自転車置き場を挟んで左右に分かれる。 神社は八十亀の家より更に奥の商店街の終点にあった。 夏休み間近の土曜日で、いつもより人が多い。 人の流れを横ぎり、食堂の横の細い路地に入り八十亀の自宅の玄関のドアの前に立ち扉横のブザーを押した。 ドアの向こうで、鈍くブザーが鳴っている。 ー金曜日に学校で、今日の待ち合わせを八十亀に持ち出した。 僕の検証に立会って貰う為に賄賂の準備をしているのだ。 そんな目論見はつゆとも出さないで、あくまで自然にいつものように誘った。 いつものように2つ返事だった。 心でガッツポーズをする(笑) そうこうしてる内に玄関のドアが開いた。 「いらっしゃい ・・・郁(フミ)」 郁(フミ)と僕の下の名前の一文字を取り呼ぶのが八十亀だ。 僕の名前は 浅古 郁士(アサゴフミト)。 主人公の名前の紹介も今更で申し訳ないけれど好きな方で覚えてよ。 僕の頭1つ分背の高い、ヒョロっとした印象が小学1年の時から変わらない八十亀がヌボっと姿を現した。 「 っ!? 」 変わらないと思ってた八十亀の、ある1点が変化している姿に僕は絶句した。 八十亀の頭に見慣れない獣の耳が生えていた・・・
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